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歴史に想いを馳せた歌
にじり口に頭をひくめ信長も秀吉も求めし時間に入る
古谷 円
首里森(すいむい)の赤木より生れて来る蝶か平敷屋朝敏の遺念の蝶か
山口德誠
手作りのキルトのベットカバー掛けねむる開拓時代のやうに
池田 玲
晴明の星読みの丘に見はるかす藤原宮跡、大和三山
村上裕子
洞窟に牛を描(えが)きし人もまた人を殺(あや)めしぬばたまの夜
山本有里
家康の所持なる茶壷安国寺床より令和の世を眺めをり
坂口洋子
『明月記』に体調不良愚図愚図と歌人は記す時代のあはひに
小松 芽
あやとりに梯子つくれば幼はもうモササウルスの白亜紀にゐる
江國 梓
五千年前も一万年前も夏風は頬に涼しかりけむ
櫛田如堂
細川家霊廟の横ならぶ石 阿部彌一右衛門隅の隅なり
坂井修一
※( )内は前の語句のルビ
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