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德力 聖也 選  2024年01月号

歴史に想いを馳せた歌

にじり口に頭をひくめ信長も秀吉も求めし時間に入る
古谷 円

首里森(すいむい)の赤木より生れて来る蝶か平敷屋朝敏の遺念の蝶か
山口德誠

手作りのキルトのベットカバー掛けねむる開拓時代のやうに
池田 玲

晴明の星読みの丘に見はるかす藤原宮跡、大和三山
村上裕子

洞窟に牛を描(えが)きし人もまた人を殺(あや)めしぬばたまの夜
山本有里

家康の所持なる茶壷安国寺床より令和の世を眺めをり
坂口洋子

『明月記』に体調不良愚図愚図と歌人は記す時代のあはひに
小松 芽

あやとりに梯子つくれば幼はもうモササウルスの白亜紀にゐる
江國 梓

五千年前も一万年前も夏風は頬に涼しかりけむ
櫛田如堂

細川家霊廟の横ならぶ石 阿部彌一右衛門隅の隅なり
坂井修一

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