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被爆人形陳列の是非を問われしがその姿こそ忘れめや人は
近藤道子
『もうじきたべられるぼく』読み終へて人であること少しかなしい
山田公子
児の手から平和の風船離れゆく 誰かのための誰かとはだれ
檜垣実生
源流とはわたしをめぐるひとすじの河なり曲がりくねってひかる
貝澤駿一
雲を飼う庭とおもえど振り向けば白木蓮のもくもくと立つ
佐藤あおい
気疲れをなほす術なく手を洗ふ生命線のやせほそるまで
斉藤幸子
弱きもの生き残れぬと面接で言はれ椅子蹴り採用されき
奥田千惠子
その色も愛して乗るべしダサいとか云われてるけど黄色ナンバー
德力聖也
母のため家事に追われる明け暮れに余白くれたりわが食洗機
大滝慶作
木々にしるく季の移ろふ香りありやがて雨くる前の栗の木
馬場あき子
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