告知板
ホーム
概要&入会案内
今月の内容
歌との出会い
さくやこのはな
かりん作品抄
時評
ライブラリー
リンク
会員ひろば
かりんネット歌会
お問い合わせ
 
 
 
齋藤 英明 選  2023年8月号

構成の味わい深い歌を選びました。

くわりんたうかじつて聴力たしかめる内なる音は沸点をもつ
池谷しげみ

貰い来し家具のカタログ朝焼けと海のページに椅子は置かれて
辻 聡之

交差点ごとに「ひだり」とつぶやきてハンドルを切る梅雨の故郷を
安永有希

〈わたしたちは魚のよう〉とわがうちに聖歌ひびきぬ声もまたさかな
酒田 現

プール・サイドへしぶく水。眠りとは、遠くの町に辿り着くこと
上田優士

まんまるの鳩のポーズのわが映るヨガスタジオの鏡の遠く
光野律子

線香はみるみる灰になってゆく風吹くみかん畑の墓に
東 洋子

雨吸ひしさくら花びら掃き出しの難儀を語る用務員某
横田博行

紫陽花の裏に薄日の差しそめて教へ通りに腰曲げてみる
白倉みづゑ

吾は耳をずいぶん落としてきたやうだふりむくところ蝉の穴、穴
渡辺松男