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古田 香里 選  2020年10月号

夏の歌を選びました。

連れ出してはつなつの雲と遊ばせる犬も子どももわたしにおらず
中津昌子

秋までを野に放ちてはがらんだう牛舎に夏の風吹き抜ける
上舘三樹子

まゆさんがイオンと言ふから夏マスク口(くち)コミ最強イオンの買ふわ
大石友子

水蜜桃あふれんばかりの甘き汁すいつくわれのうちはからっぽ
谷川保子

雨滴ため思案するがに薔薇の問ふ「自粛と昼寝の違ひはあるか」
工藤 章

名はムサシ。クラスで飼ひしクワガタを飼育係の孫持ち帰る
竹花美千子

森の傾(なだ)りに萱草の花にほふらん行かねど見ゆる景のこひしさ
馬場あき子

見えざるもの孕む銀河の質量を翻しつつフレアスカート
岡方大輔

夜を帰れば灯火の庭に家(うち)の蟇道路に出るなとたしなめたりす
長友一代

真っ白く四角い部屋に起き臥してひとり足元に刺草生ふる
長谷川典子

※ ( )カッコ内は前の語句のルビ。