|
|
|
|
|
|
「介護」の歌は数は、少なかったのですが・・・(菊地宏義)
それは親たるものの務めのごと老いの無残をも見せ母は死にたり
山崎信子
認知症となりての後の十五年何事もなかったような死に顔なりき
藤野まり子
娘を亡くし九十二の姑介護する友の心のはかり難しも
桶谷清子
淋しいと決して言わない臥す母よわが晩年を教えられおり
田中友子
姉ちゃんは底なし沼の優しさと思われてゐて身ぶるいをする
楯田順子
壮絶な介護の日々も今なれば夫の残ししメッセージと思う
大森 桂
病んでいても夫のことを気にかけし母のおもいを抱きて父看る
石原法子
迎え火をたけば祖霊の見えるらし九十八歳母上機嫌
柳 秀子
死にたいを翻訳すれば淋しいということだったと五年も経てから
くどうようこ
お父さんどうしてるかねえ幽世(かくりよ)を恋ほしむ母と一日が暮れる
日高堯子
|
|
|
|