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菊地 宏義 選  2014年09月号

「介護」の歌は数は、少なかったのですが・・・(菊地宏義)


それは親たるものの務めのごと老いの無残をも見せ母は死にたり
山崎信子

認知症となりての後の十五年何事もなかったような死に顔なりき
藤野まり子

娘を亡くし九十二の姑介護する友の心のはかり難しも
桶谷清子

淋しいと決して言わない臥す母よわが晩年を教えられおり
田中友子

姉ちゃんは底なし沼の優しさと思われてゐて身ぶるいをする
楯田順子

壮絶な介護の日々も今なれば夫の残ししメッセージと思う
大森 桂

病んでいても夫のことを気にかけし母のおもいを抱きて父看る
石原法子
 
迎え火をたけば祖霊の見えるらし九十八歳母上機嫌
柳 秀子

死にたいを翻訳すれば淋しいということだったと五年も経てから
くどうようこ

お父さんどうしてるかねえ幽世(かくりよ)を恋ほしむ母と一日が暮れる
日高堯子