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地域をうたう、または地域にうたう、という点から選びました。(菊地 宏義)
法螺の音に耳をすませて母のごとお布施手にもち山伏を待つ
三浦加寿子
妻が漕ぎ夫が鋤簾で蜆掻く涸沼の漁は夫婦の仕事
冨田幸雄
朝霧に髪より冷えてきし山の女一人に丸太をみがく
篠原節子
極月の辺野古の浜のテント小屋冬の陽あふれやがて影さす
伊波 瞳
阿夫利嶺はわが折節の父である髪白むまであがめて来たる
綿貫昭三
集団移住したる故郷田も畑も神に返して風神のたつ
小林勝幸
江戸っ子となりし少女への贈りもの過疎なる故郷の満点の星
中谷澄子
置き捨ての支柱に霜の花が咲き多めに冬の野菜を埋(い)け込む
阿部ヒサ
戦争をしたがる者らよ原発にミサイル当たらば日本全滅
伊藤眞司
遠い遠いあなたよ 雪降る川の面にはだかの指を触れて帰り来
齋藤芳生
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